「あれだけ俺を罵倒しておいて、あっさりこんなになっちまったな」
仕上げとばかりに突起を指で弾き、蛮骨は冷笑した。
刺激され、吸われ続けた両の乳輪は青白い月光の中でもわかるほどに赤くなり、芯を硬くして勃ち上がっている。
声を殺して泣くかごめから身を離し、蛮骨は上体を起こした。
手を滑らせ、すでに足に引っかかっているだけとなっていた下肢の布を全て剥ぎ取ると、部屋の隅に放る。
「蛇骨、ここに来て押さえてろ」
「へいへーい」
「やっ……!」
蛮骨はかごめの両足首を持ち上げ、彼女の頭側に座らせた蛇骨に持たせた。
必然的に彼女の秘部が上向いた体勢になり、二人の男の眼前に全てが露わにされる。
経験に乏しい生娘にはあまりにも耐えがたい状態だった。
「やだ! 見ないでっ……」
かごめは逃れようと力を込めたが、蛇骨に固定された足はびくともしない。
「なんだ、きれいなもんだな。あんな格好しといて、犬の野郎に抱かれてねえのか?」
蛮骨は指をかけて花弁を左右に押し広げじっくりと覗き込んだ。
自分でも見たことのない箇所をあろうことか敵の男に見られたかごめの顔が絶望に彩られる。
「触らないで! だめだってば!」
「この分だと自分でもあまり弄ってねえな? 俺らなんかが最初の相手で可哀想に」
同情する風情で言うと蛮骨は入り口を開閉させていた指を離し、例の竹筒を取り上げて栓を抜いた。左手の上で傾けると、とろとろとした透明な液体が滴り落ちる。
「な…なにそれ……何するつもりなの……」
「たぶん死にはしねえから」
蛮骨は液を両手の指の先まで満遍なく行き渡らせると、その手で再びかごめの秘唇に触れた。
「やめ……」
「正直、こういうのに頼るのは負けた気がするんだが、今回は犬夜叉が来るまでしか時間ねえし。効果のほどを拝見さしてもらおう」
ぬめりを帯びた指で形の崩れていない襞の隅々まで塗り広げていく。
塗り込まれた液体が潤滑油となって、入り口の襞を蛮骨の指に絡みつかせた。
夜の静寂に生々しい湿った音がやけに大きく響く中、指が滑りを増してそこを擦るたびに、否応なく熱い感覚がかごめの背筋を駆け上る。
彼女はは悲鳴が漏れないよう懸命に耐えていたが、そのとき唐突に体内へ侵入してきた異物感に目を見開いた。
「ひっ!?」
下腹部に、これまで感じたことのない違和感がある。
視線を下げ恐る恐るそこを確かめてみると、蛮骨の長い指が二本、ぴったり閉じていた中心部をこじ開けて深く挿し込まれていた。
「あ…、え……?」
瞬きも忘れて少女は目の前の光景を見つめる。
そこに何かを挿れたことなどなかった。
知識として知っていても、せいぜい学校の教科書の簡易な図説を流し読みした程度のもので、それでさえ気恥ずかしくてさっさと項を移ってしまっていた。
そこまで具体的なことなど、自分にはまだ関係が無いと――思っていた。
なのに。
「あ…あ……」
現実を認識するにつれて、体内にある指の形が痛みを伴いながら瞼の裏に像を結んでいった。
「おいおい、まだ指二本だろ。そんなんでこの先どうする」
かたかたと震えだしたかごめに蛮骨は苦笑する。
指の関節を軽く曲げると、かごめの目元が引きつった。
指に纏わせた薬を塗り込むように入り口と奥を往復させ、しばらくその反応を楽しんでいた蛮骨だが、やがて入れた時と同様、唐突に引き抜いた。
すでに媚薬の効果が表れ始めているらしく、指先に竹筒の中身とは異なる液体が絡みついて秘唇から糸を引いている。
「さてさて。殿さま秘蔵の媚薬、果たしてどんなもんかな」
少し放置してみるか、と考えたその時、蛇骨がつまらなそうな声を出した。
「大兄貴、俺飽きたんだけど」
「足はもう放していいぞ。口でも使えばどうだ」
「ええ、女の口かよ」
ぽいとかごめを放し、蛇骨は不満げに眉を顰める。
両足が自由になったかごめだが、屈曲姿勢で長らく押さえられていた痺れと中心部の妙な違和感からまともに力が入らなくなっていた。
「あのな、この女を連れてきたの、元はと言えばお前だからな。ヤれっつったのもお前だ。俺に不服を言われても困る」
「だーもう、わかったよ。使えば良いんだろ使えば」
大きくため息を吐き、蛇骨が床上にあるかごめの顔を跨いだ。
ごそごそと着物の前を寛げると、かごめの眼前に男性器がさらけ出される。
「っ――!?」
初めて目にするそれにかごめの呼吸が止まった。
慌てて顔を背けようとするが、蛇骨の手に両頬を挟まれ固定される。
「つっても全然勃たねぇし。おら、口開けろ」
「んっ、んんっ!?」
鼻先に押し付けられる一物に怖気立ちながら口を堅く閉じ、かごめは必死に抵抗する。
間違ってもそんなものを口に入れるなど嫌だった。
頑なに抗い続けていた刹那、どん、と顔の横で衝撃音が響く。
恐る恐る目を向けると、耳のすれすれに匕首が刃の三分の一ほどを床板に埋めて突き立っていた。
「ぁ……」
少女の顔から一瞬にして血の気が引いた。
「口開けろっつってんだろ、死にてえのか」
「怖い怖い。こいつ本当に殺すから、言う事聞いた方が長生きできるぜ」
さも面白げに目をすがめて蛮骨が言う。
蛇骨がかごめの口に指を突っ込んでこじ開けると、今度は弱々しい抵抗のみで難なく陥落した。できた隙間に性器がねじ込まれる。
「う、ぐ……」
せり上がる嘔吐感でかごめが胸を詰まらせた。
そんなことはお構いなしに蛇骨は腰を前後に動かし始める。
「歯ぁ立てたら首落とすからな」
蛇骨は無理やりに己を屹立させようと上顎や頬の裏、舌上へと手当たり次第に擦り付けた。
「下っ手くそだな。おら、舌使え!」
少女の頭を固定する手に力をこめ、がつがつとその喉奥目掛けて己を突き込む。徐々に大きさと硬さを増すそれに容赦なく口内を犯され、かごめの唇からくぐもった嗚咽とともに逆流した唾液が溢れ出す。
その様子を見ながらかごめの全身を撫でまわしていた蛮骨が笑みを深くした。
「は、案外乗り気じゃねえかお前」
蛇骨が不服げに鼻を鳴らす。
「ふん、穴なんか突っ込んじまえば男も女も同じだ。使えってんなら俺の良いように使ってやるさ」
「男抱くより容赦ねぇや」
はは、と乾いた笑みを佩いて蛇骨は畳み掛けるように出し入れの速さを早める。
床に散らばる艶やかな黒髪が激しく波打ち、花のような唇からは似つかわしくない濁音が響いて堂の天井に吸い込まれていく。
昂りが最高まで達すると、腰をひときわ強く押し付けた蛇骨はわずかに身震いし、そのままかごめの口内に精を吐き出した。
「――っ!!」
内部を満たしたもので小さな頬が膨らんだ次の瞬間、ごぷっという空気の音とともに、唇から白く泡立った唾液が噴き出す。
「はは、良いザマ」
心から愉快そうな声で蛇骨のものが口から引き抜かれるや、かごめは激しく咳き込んで口内のものを吐き出した。
「おぇっ……うっ」
大きく息を引きつらせながら、舌に纏いつくものを懸命に取り除こうとのたうつ少女を、蛮骨と蛇骨は面白い見世物を見るような目で眺めた。
えずくかごめを休ませることなく、蛮骨はその足を左右へ大きく開かせる。しばらく触れていなかった中心を間近に確認して口端を引き上げた。
つい先程まで貝のように閉じているのが常だったそこは今や自ら小さく開口し、ひくひくと蠢きながらしとどに蜜を垂らしている。
「こりゃ当たりだ。あの殿さま、随分な代物持ってやがった」
果たしてこれで何人泣かせてきたものか。
「どうだ、身体がむずむずして、もっと触って欲しくなってるだろ」
かごめは体液で汚れた顔を歪めて蛮骨を睨んだ。
「そん…な、わけ、ない……!」
気丈に否定するが、蛮骨の指がついと割れ目をなぞると、その微かな刺激だけで異常なほど腰を跳ねさせてしまう。
「俺にはしっかり感じてるように見えるがなぁ」
蛮骨はそう言って、かごめの眼前に濡れそぼった手を差し出す。指を開くとその間に透明な糸が引いた。
「……っ!」
かごめは大粒の涙を浮かべて顔を背けながらも、決して肯定はしない。
その様子を見て蛮骨はそうかと頷いた。
「まあ、本人が何も感じてねぇって言うんじゃそうなんだろう」
口元が吊り上がり、もう一度媚薬の入った竹筒の栓を抜いた。
「なにせ人様のもんだから、加減がわからなくてな。足りねぇってんなら増量しねぇと」
そう言って媚薬の入った竹筒を傾けようとする蛮骨に、かごめは顔色を失って首を振った。
「やだっ、やめて……!」
だが蛮骨は聞き入れず、とろみのある液体を花芯の中央目掛けて直に滴らせた。
窓から差し込むわずかな月明かりを反射して艶かしく光るそこへ再び指を挿し入れ、奥まで掻き回す。
「うああ!」
抉るように中を刺激するとかごめは電流を受けたかのごとく下半身を震わせ、足の先まで緊張で張り詰めていく。
内部を弄ぶ指はそのままに、蛮骨の親指が亀裂の上に隠れた核を潰すようにこね回した。
強烈な刺激にかごめは更なる悲鳴を上げる。
「やっ、だめ! …それ、だめ……!」
ひっそりと身を潜めていた核を暴き出し、指で挟んで扱くように捻ってやると、少女の腰が面白いように跳ねる。
小指の先ほどの小さな核は熱を帯び、次第にその存在をはっきりと主張し始めていく。
爪の先で戯れに弾くと、そのたびに鋭い悲鳴が漏れ出た。
「駄目じゃねえだろ? お前が感じねえっつうから色々やってんだぞ」
「だめぇ! お願い許して! 熱い、これ以上……!!」
かごめが咽びながら懇願する中、隠せないほどに屹立した核を蛮骨が口に含んで強く吸い上げ、軽く歯を立てた。
「 ―――っ!!」
かごめの背が大きくしなり、がくがくっと全身が痙攣するように震えた。
同時に、中心の穴から堰を切ったように透明な蜜が弾け出し、床を濡らす。
「あーあ。だから初めから素直に認めときゃ良いのに」
人生で初めての絶頂に達した反動でがくりと脱力するかごめを見下ろし、蛮骨は手にかかった蜜を舐め取りながら嗤笑した。
中から引き抜いた指を割れ目に沿って滑らせ、竹筒に残る媚薬を全て振りかけながら後ろの穴をまさぐる。
「な…に…して……」
「せっかくだからな、余ってる分こっちにも塗ってやるぜ」
そう言うとにっこり笑って、後ろの小さなすぼまりに人差し指を遠慮なくねじ込んだ。
「ひっ」
指の付け根まで侵入させると左右に回転させて薬を塗り込む。
新たな痛みに瞼を震わせながらも、なぜそんなことをするのかと、問う余裕ももはやかごめには残っていなかった。